車の売買

車のリース契約のメリット・デメリットを解説|購入との比較、費用、契約条件まで

2024年8月13日

昨今のライフスタイルの多様化によって、最近では車を購入する以外にも、個人向けのカーリースを選択する方も増えてきました。カーリースと聞くと、リース会社のサービスの多様さや契約内容の複雑さから、なんとなく難しいイメージを持っている方もいるでしょう。

「カーリースは購入と比べて損ではないのか」「メンテナンスなど車にかかる費用はどうなるのか」など、不安や疑問は尽きないのではないでしょうか。

そこで本記事では、カーリースの基本内容とメリット・デメリット、購入した場合との比較、総額費用、契約条件まで、詳しく解説します。カーリースを検討している方は、ぜひご一読ください。

車リースの基本!初心者でもわかる仕組みと特徴

まずは、カーリースの基本的な仕組みや特徴を押さえましょう。

車のリースとは?

カーリースは、リース会社が顧客(車の使用者)の代わりに販売会社(ディーラー)から車を購入し、使用者へ車を貸し出す仕組みです。

カーリースは、リース会社・使用者・販売会社との間で成り立ち、使用者はリース会社に月々の料金を支払うことで、契約期間中は車を自由に使用できます。

車のリースと購入の違い

車を購入するか、もしくはリースにするか、どちらが自分に合っているのか迷う方も多いでしょう。

下はカーリースと購入の違いについて比較した表です。

カーリース 購入
頭金 不要 本体価格の2〜3割が一般的
月々の支払い方法 毎月定額(リース代) 一括代金・カーローン代
登録費・諸費用(自賠責保険含む) リース代に含む 契約時に支払う必要あり
自動車税 リース代に含む 年に1回あり
車検費用 自己負担。ただしメンテナンスリースの場合はリース代に含む 2年に1回あり
消耗品・メンテナンス費用・ガソリン代 基本的に自己負担。メンテナンスリースの場合は、リース代に含む その都度自己負担

このようにカーリースと購入(カーローン)の一番の大きな違いは、毎月一定額の出費か、税金・車検費用など、その都度まとまった出費が発生するか、という点です。

車をリースするメリット

車をリースするメリット

購入するケースと比較しながら、カーリースのメリットを紹介します。

初期費用を抑えられる

カーリースは購入する場合と違い、税金・登録費用を含めた頭金が不要です。最初にまとまったお金を出したくない人に向いており、初期費用がかからない点が魅力です。

維持費・メンテナンス負担が軽減される

カーリースプランの中のメンテナンスリースで契約した場合は、エンジンオイルやタイヤの交換などメンテナンス費用が月額のリース料金に含まれています。

本来は一定期間ごとにメンテナンス費用がかかるところ、メンテナンスリースは毎月定額を支払うことで、メンテンナンス時に出費の必要はありません。

税金や保険の優遇措置がある

購入の際にかかる諸費用の内訳としては、

  • 自動車税
  • 重量税
  • 環境税(環境性能割)
  • 自賠責保険 

他、販売会社へ払う登録手数料などがあります。

カーリースでは車の所有はあくまでリース会社となり、各種税金はリース会社が納付します。使用者は税金・諸費用を含めたリース料を月々支払うだけで、納付の手間が省けるというメリットがあります。

また、車を事業目的で使用する場合、リース料を事業経費に当てることで節税効果が得られるでしょう。

最新モデルに乗り換えやすい

リース契約中は原則的に他車への乗り換えができませんが、契約終了後に新たな契約を結べば乗り換えが可能です。短期間の契約であれば、一定期間ごとに最新モデルの車へ気軽に乗り換えることができます。

購入した車から乗り換える場合に面倒な車の査定などの手続きはすべてリース会社へおまかせできるため、乗り換えの負担も最小限に抑えられます。

車をリースするデメリット

メリットの多いカーリースですが、以下のようなデメリットも存在します。デメリットにも留意したうえで、リース利用を検討しましょう。

走行距離制限がある

カーリースの契約は走行距離の制限を設けていることがほとんどです。契約条件の距離を超えてしまうと、契約終了時に超過分を精算しなければなりません。

長距離を走行することが多い場合は、走行距離制限に気をつけましょう。

中途解約のリスクが高い

カーリースは原則的に中途解約が難しく、解約すると残価を含めた違約金が発生するケースがあります。

ライフスタイルの変化があっても簡単に契約を終了できない点には注意が必要です。

車のリースと購入、結局どっちがお得?

車のリースと購入、結局どっちがお得?

ここまで車の購入とカーリースの違い、カーリースのメリット・デメリットを解説しました。この項では、ライフスタイルや車の使い方によって、どちらの方法がお得になるのかをシミュレーションを交えながら徹底比較していきます。

それぞれのメリット・デメリットを再確認

ここで、カーリースと購入のメリットとデメリットをもう一度おさらいしましょう。

カーリースの場合 購入の場合
メリット ・頭金が不要で、まとまったお金を用意しなくてもよい

・自動車税・自賠責保険の納税が不要(リース料に含む)

・メンテナンスリースであれば車検代や定期的な整備代もリース料込になる

・契約終了後に新しい車への乗り換えが容易

・一括で支払えば利息を払う必要なし

・自分の車として所有できる

・カスタマイズを自由に行える

デメリット ・走行距離の制限がある

・中途解約が難しい

・契約中は他の車への乗り換えは不可

・カスタマイズに制限がある

・初期費用のためのまとまったお金が必要

・定期的に維持費(税金・保険)とメンテンナンス代が発生

・カーローンの場合利息を含めた支払い

ライフスタイルや車の使い方で比較

購入かカーリースか、人によってどちらが向いているのか、個々のライフスタイルや車の使い方も考慮に入れながらご提案します。

カーリースに向いている人

  • 車に詳しくなく、メンテナンスを含めた維持・管理を外部に任せたい
  • 初期費用なしで、手軽に車に乗りたい
  • 車は日常使いが中心で、遠出はほとんどしない
  • 面倒な手続きなしに定期的に最新モデルに乗り換えたい
  • 個人事業や法人で事業用の車が必要

購入に向いている人

  • 車を自分のものとして所有したい
  • 車のカスタマイズを自由に行いたい
  • 一括購入できる資金の余裕がある
  • 愛着を持って車を長く使い続けたい

結論としては、車の維持費の管理を楽にしたい人や、メンテナンス諸々リース会社へおまかせしたい人にはカーリースが向いています。一方で、自分の愛車として車を所有したい人や車をとことん自分好みにしたい人は、購入が向いているといえるでしょう。

長期的なコストをシミュレーション

ここでは例として、ホンダの軽自動車N-ONEを購入した場合と、カーリースで5年契約を行った場合に、トータルでかかる金額をシミュレーションしてみましょう。

参考例:N-ONE ベースグレード本体価格1,767,700(税込)5年契約
※購入・カーリスとも燃料代は含めず

・購入(カーローン)の場合

諸費用(自賠責保険他) 93,670円
月々のローン支払い額       (頭金なし・クレジット5年契約・均等払い) 37,193円(2回目以降は35,000円)✕ 60回=2,102,193円(税込) 
軽自動車税(種別割・年1回) 10,800円✕5 =54,000円
車検費用(相場)※法定費用含む。 新車は3年目から、その後2年に1回 70,000円〜80000円✕2回=140,000円〜160,000円
任意保険料(相場)※車両保険あり 50,000円〜60,000円✕5=250,000円〜300,000円
メンテナンス費用(5年間) 250,000円 ※1年あたり50,000円で計算
5年間総額 2,889,863円〜2,959,863円

※クレジットは実質年率4.9%で計算。

参考:
セルフ見積り|HONDA公式サイト
定額カルモくん|定額カルモくん

 

・一般的なカーリースの場合

諸費用(自賠責保険他) リース料に含む
リース料 35,606円✕ 60回=2,136,360円(税込)
軽自動車税(種別割・年1回) リース料に含む
車検費用(法定費用) リース料に含む
点検費用その他の車検費用 70,000円〜80000円✕2回=140,000円〜160,000円
任意保険料(相場)※車両保険あり 50,000円〜60,000円✕5=250,000円〜300,000円
メンテナンス費用(5年間)    ※メンテナンスリースの場合はリース料に含む) 250,000円 ※1年あたり50,000円で計算
5年間総額 2,776,360円〜2,846,360円

 

今回の例でトータルのコストを比べた結果、カーリースの方が安くなることがわかりました。

一方で車種と契約条件の内容によっては、カーリースの方が総額として高くなるケースもあります。トータルコストに関しては、結局のところケースバイケースだといえるでしょう。

自分にあったリースプランの選び方と注意点

カーリースを契約する際には、リース会社の中から自分のライフスタイルに合ったプランと条件を選ぶことが大切です。

ユーザーが有利な条件で契約する上で、契約期間、走行距離制限、中途解約など、契約条件で確認すべきポイントについて詳しく説明します。

契約条件をチェック!確認すべきポイント

カーリースを契約する際には、乗りたい車の見積もり・契約内容を確認した上で、審査に進みます。契約の内容については以下の条件を確認しましょう。

  • 契約期間
  • オープンエンドかクローズドエンドか
  • 契約満了時の車について
  • カスタマイズの可否
  • 走行距離制限
  • 中途解約の違約金について

契約期間について

自身のライフプランに沿った契約期間を設定しましょう。短期から長期契約まで柔軟なプランを組めるリース会社を選ぶのがおすすめです。

オープンエンド方式とクローズドエンド方式

カーリースの種類にはオープンエンドとクローズドエンドの2つの方式があります。

オープンエンド方式は、契約終了後に車の残価が市場価値を下回っていると追加精算が必要になります。

クローズドエンド方式では、最初の契約時に残価が固定され契約終了後の精算の必要がありません。現在ではクローズドエンドが主流です。

契約終了後の車について

リース期間が終了すると、車は原則的にリース会社へ返却となります。

リース会社によっては、下記のようなプランが用意されています。

  • 再契約を結んで今までの車に乗り続ける
  • 新しい車に乗り換える
  • リース終了後の車をもらえる

契約終了後のプランについてもリース会社に確認しておきましょう。

カスタマイズについて

カーリースでは車両のカスタマイズは基本的にNGであり、軽微なカスタムであっても契約終了時には現状回復を行わなければいけません。

一方でメーカーの純正パーツであればカスタムを許可しているケースもあるため、カスタマイズを希望する場合は、契約時に相談しておきましょう。

走行距離の制限について

走行距離の条件によって、毎月のリース料が変動します。

リース終了後の超過距離の精算がないよう、年間にどれくらいの走行距離を走るのかを計算し、無理のない範囲で設定しましょう。

中途解約について

中途解約はないに越したことはありませんが、万が一に備えて違約金など解約に関してリース会社へ確認します。

後々契約の件でトラブルにならないように、契約内容をもう一度見直し、もしものリスクに備えることが重要です。

リースにかかる費用を理解する

実際にリース契約を結ぶ際のリース費用の内容と内訳を解説します。自身の予算と今後のカーライフプランを検討したうえで慎重に契約しましょう。

・基本的なリース料の内訳

  • 車両本体価格
  • 自賠責保険料
  • 自動車税その他・手数料

車両本体価格について

ベース車両にグレード選択と装備品のオプション料を加算した価格から契約終了後の残価(市場価格から推算)を差し引いて、月々のリース料が算出されます。

自賠責保険料

車の使用者に対して加入義務がある保険料です。基本リース料に含まれており、使用者は車検のたびに支払う必要はありません。

自動車税その他・リース会社への手数料

自動車税・重量税・環境性能割などの税金の他、登録手数料もリース料に含まれます。自賠責保険同様、使用者の代わりにリース会社が納税手続きを行います。

その他車の維持費について

任意保険料はリース料金には含めず、各自で任意保険への加入手続きをする必要があります。

消耗品や定期的なメンテナンス費用もカーリース料に含まないことが一般的です。ただしメンテナンスリースの場合はリース料に含んだうえで月額料金を計算します。

まとめ

今回はカーリースの全貌について解説しました。昨今のカーライフの多様化にともなって、購入だけに限らず個々のニーズに合わせたサービスがますます求められる傾向にあります。

車は長い人生を共に歩んでいく存在です。カーリースという形を選択するにしても、後悔のない充実したカーライフになるように願っています。

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