引っ越しノウハウ

引っ越し時の車庫証明手続き解説:必要書類と流れ

2024年8月27日

引っ越しをする際には、住民票の変更や公共料金の手続きと同様に、車庫証明の取得も重要な手続きのひとつです。
新しい住所で車を保管するには、車庫証明の取得が必要になります。
本記事では、車庫証明の基本的な定義と取得条件、手続きの具体的な流れについて詳しく解説します。引っ越しの際の手続きをスムーズに進めるために、ぜひ参考にしてください。

車庫証明の基礎知識

引っ越しに伴う手続きの一つに、車庫証明の取得があります。車庫証明は、新しい住所で車を保管するために必要な書類で、正しい方法で手続きを行うことが求められます。
以下では、車庫証明の基本的な定義と取得条件について解説します。

車庫証明とは何か

車庫証明とは、正式には「自動車保管場所証明書」といい、自動車の保管場所を証明するための書類です。
車庫証明は、自動車の保管場所の確保等に関する法律に基づいて、車の所有者が保管場所を確保し、申請することが義務付けられています。車の登録や車検の際に必要となり、とくに都市部では重要な手続きとなります。

車庫証明の取得条件

車庫証明を取得するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
以下が主な取得条件です。

保管場所が道路以外の場所であること

車を駐車する場所は、駐車場や車庫、空き地などの道路以外の場所でなければなりません。路上駐車を防ぐための規定になります。

住所から2km以内の保管場所

保管場所は、自動車を使用する本拠地(住所)から直線距離で2km以内にある必要があります。この距離内であれば、車の保管場所として適切と見なされます。

通行禁止や幅員制限に抵触しないこと

車庫に通じる道が通行禁止ではなく、幅員制限に抵触しないことが求められます。つまり、車がスムーズに出入りできる場所である必要があります。

車全体が収容できること

車全体が道路にはみ出さずに収容できる場所でなければなりません。歩行者や他の車両の通行を妨げないための規定です。

保管場所使用承諾証明書

他人の土地や建物を借りて保管場所とする場合は、保管場所使用承諾証明書が必要です。これは、駐車場の所有者や管理者からの使用許可を証明する書類です。

引っ越し後の車庫証明の住所変更は必要?

引っ越し後、車庫証明の住所変更が必要かどうかは、引っ越し先の条件や車の種類によって異なります。ここでは、住所変更が必要なケースと不要なケースについて詳しく説明します。

住所変更が必要なケース

引っ越し後に車庫証明の住所変更が必要になる具体的な条件について説明します。
以下のケースでは、速やかに住所変更手続きを行うことが求められます。

所有者の住所が変更になった場合

引っ越しにより車の所有者の住所が変更になった場合は、車庫証明の住所変更が必要です。たとえ保管場所が同じでも、住所が変われば新しい住所に対応した車庫証明が求められます。

新しい保管場所が適用除外地域でない場合

都市部など、車庫証明が必要な地域に引っ越した場合は、住所変更の手続きを行う必要があります。とくに大都市や人口密集地域では、車庫証明の取得が義務付けられています。

賃貸駐車場を利用する場合

引っ越し先で賃貸の駐車場を利用する場合、「保管場所使用承諾証明書」の提出が必要です。この書類は、駐車場の所有者や管理会社からの使用許可を証明するものです。

住所変更が不要なケース

一方、特定の条件下では車庫証明の住所変更が不要な場合もあります。
以下が具体例です。

適用除外地域に引っ越した場合

車庫証明が不要な地域、いわゆる適用除外地域に引っ越した場合は住所変更の手続きが不要です。適用除外地域とは、主に人口の少ない村や合併後の自治体などです。たとえば、東京都内では桧原村や利島村などが該当します。

軽自動車の場合

軽自動車は普通自動車と異なり、「自動車保管場所届出書」の提出が求められる場合がありますが、車庫証明そのものは必要ありません。
ただし、地域によっては保管場所の届出が必要になることがあるため、警察署に確認が必要です。

車庫証明住所変更の具体的手続き

引っ越しの荷造りをするときの注意点

引っ越し後に車庫証明の住所変更を行う際には、必要な書類、手数料、そして手続きの具体的な流れを把握しておくことが重要です。
ここでは、これらの詳細について説明します。
また、手続きを代行してもらう場合の方法についても紹介します。

車庫証明住所変更の必要書類と手数料

車庫証明の住所変更手続きには、いくつかの書類と手数料が必要です。

必要書類

  1. 自動車保管場所証明申請書(軽自動車の場合は自動車保管場所届出書):2通
  2. 保管場所標章交付申請書:2通
  3. 保管場所の所在地・配置図:1通
  4. 保管場所使用権原疎明書面(自認書)(保管場所が自分の所有する土地の場合)
  5. 保管場所使用承諾証明書(他者の土地を借りる場合)

手数料

車庫証明の住所変更には申請手数料と標章交付手数料がかかります。
以下は主要な都市の例です。

都道府県 申請手数料 標章交付手数料
東京都 2100円 500円
大阪府 2200円 500円
福岡県 2200円 550円

手数料は自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

車庫証明住所変更の手続きの流れ

車庫証明の住所変更手続きは、以下の流れで進めましょう。

  1. 書類の用意
    必要な書類をすべて揃えます。警察署の窓口やホームページからダウンロード可能な書式を利用します。
  2. 書類の提出
    新しい保管場所を管轄する警察署窓口に書類を提出し、申請手数料を支払います。書類提出後、警察による保管場所の確認調査が行われます。
  3. 自動車保管場所証明書の交付
    問題がなければ、申請から3~7日ほどで新しい車庫証明が交付されます。交付された書類を受け取り、保管場所標章を車の後部ガラスに貼ります。

手続きを代行してもらう場合

手続きを自分で行えない場合、カーディーラーや行政書士に依頼して代行してもらえます。家族が代理人として手続きを行うこともできますが、以下の追加書類が必要です。

  • 使用者の運転免許証や公共料金の領収書など、使用者の本拠地を確認できる書類
  • 委任状(必須ではないが、用意しておくと便利)

手続きを代行してもらう場合、代行手数料が発生することがあります。代行手数料は業者によって異なりますが、1~2万円程度が一般的です。

車庫証明住所変更の注意点と罰則

引っ越し後に車庫証明の住所変更を行わない場合や虚偽の申請を行った場合には、厳しい罰則が適用されます。
以下では、具体的な罰金額や法的なリスクについて詳しく解説します。

住所変更を怠った場合の罰則

車庫証明の住所変更手続きを怠った場合、法律に基づいて罰則が科されることがあります。

罰金

車庫証明の住所変更を行わない場合、10万円以下の罰金が科されます。これは「自動車の保管場所の確保等に関する法律」によって定められており、住所変更後15日以内に手続きを行わなければなりません。

法的リスク

住所変更を行わずに放置していると、以下のようなリスクが発生します。

  • 警察の取り締まり
    不正が発覚した場合、警察の取り締まり対象となります。
  • 車検更新時の問題
    車検の更新時に車庫証明が必要となるため、手続きを怠ると更新手続きが進まない場合があります。

虚偽申請に対する罰則

虚偽の申請を行った場合、さらに厳しい罰則が適用されます。

罰金と刑罰

虚偽の車庫証明申請を行った場合、以下の罰則が科されます。

  • 20万円以下の罰金
    保管場所を偽って申請した場合や、実際の保管場所と異なる場所に車両を保管している場合に適用されます。
  • 刑事罰
    虚偽申請が発覚すると、刑事罰として処罰されることがあります。「自動車の保管場所の確保等に関する法律」に基づき、厳重な処罰が科されます。

車庫飛ばしのリスク

単身赴任などで一時的に異なる場所で車を保管する場合でも、正確な住所変更手続きを行わないと「車庫飛ばし」とみなされ、法的に処罰されます。
車庫飛ばしは意図的に虚偽申請を行ったと判断されるため、非常にリスクが高い行為です。

まとめ

引っ越しに伴う車庫証明の住所変更は、車の保管場所を適切に管理し、安全な交通環境を維持するために欠かせない手続きです。必要な書類や手数料、手続きの流れを理解し、迅速な対応が重要です。
また、手続きを怠ったり虚偽申請を行った場合には、厳しい罰則が科されるため注意が必要です。
正確な情報をもとに適切な手続きを行い、安心して新しい生活をスタートさせましょう。

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