企業で働く会社員たるもの、急な転勤を言い渡される可能性があるため、住宅ローンを組んでいる場合はどうなってしまうのか心配ですよね。具体的には、転勤後に現在返済中の住宅ローンにどのような影響が出るのか、そしてどのような対応をするのが得策なのか気になる方が多いのだと思われます。
実際に転勤が決まった際、いずれ現在の自宅に将来的に戻ってこれるのであれば問題ありませんが、お勤めの会社の状況によっては何とも言えないケースも想像できます。実際に転勤決定後に、お住まいの住宅を売却するほか賃貸へ出すなどの対応を取る方もいるので、自分に合った方法を知っておくことはとても大切です。
転勤によって現在組んでいる住宅ローンの条件が変わる場合もあるので、様々な選択肢の中からベストなものを選びたいですね。本記事では転勤が決まった際に住宅ローンがどうなるのか、知っておきたい基本から注意点まで、さらに転勤後の賢い住まい選びについても解説していきます。転勤が決まって自宅の処遇について迷っている方、今後転勤の可能性がある方は、ご参考にしていただけると幸いです。
転勤が決まったら住宅ローンはどうなる？知っておきたい基本と注意点
転勤が決まると現在支払っている住宅ローンについて継続しないといけないのか、または支払い続けられるのか不安になりますよね。転勤によって収入が減ったり、失業してしまう可能性もありますから、場合によっては住宅ローンの返済が困難になる場合があります。困った際の対処法や、金融機関への相談方法について解説します。
住宅ローン返済中の転勤、どんな影響があるの？
せっかく住宅を購入しても転勤を言い渡されたらマイホームに住めなくなってしまいますよね。それだけでなく、生活自体にも大きな影響が出てきます。お勤め先の会社における転勤先に無料の寮が用意されている、住宅手当の制度が充実している等の待遇があれば何ら問題はないのですが、そうではないケースも多々あるようです。
住宅ローンの支払に加えて転勤先での家賃支払いも発生する場合、生活が回らなくなってしまうリスクがあります。また、遠隔地に住むことになるため自宅の管理も十分にできなくなります。
ここで適切な対策を取らなければ住宅ローンの支払が滞ってしまう可能性があります。転勤が決まった場合、住宅ローンの支払をどうするべきか事前にシミュレーションしておくことはとても大切ですね。
転勤で住宅ローンが払えなくなったら？
転勤によって収入の減少、支出の増加等が発生して住宅ローンが支払えなくなる可能性があります。住宅ローンを滞納した場合、最初の1ヶ月前後で督促状が届き、2～3ヶ月程度延滞すると銀行から電話が頻繁に入ってくるようになります。
さらに延滞が続き6ヶ月ほどになると期限の利益の損失となり、住宅ローンの分割返済権利が無くなってしまいます。個人信用情報機関に情報が登録され、いわゆるブラックリスト入りします。一括返済を要求されるので、ここまで来るともうどうしようもなくなってしまいます。
その後住宅は競売にかけられ、住む場所を失ってしまう訳です。さらに、ブラックリスト入りしている訳ですから新たに住宅ローンを組むのは不可能となります。併せてクレジットカードも利用停止になる可能性が高く、新たに作ることもできなくなります。
家を売却？賃貸に出す？転勤後の賢い住まい選び
実際に転勤が決まって、転勤後の住まい選びが必要になる場合があります。もちろん転勤先に社宅があり、現在の持ち家に家族が住み続けるというパターンはあると思いますが、そうではない会社は多く、さらに転勤によって収入が減ったり支払が増えるなどのリスクもあります。
その場合は住宅ローン負担を何らかの方法で軽減させる必要があるのですが、売却だけでなく賃貸に出すという方法もあります。住宅を賃貸に出すメリットは、家賃収入を得られることですが、管理費用や空室リスクがあります。賃貸による収入と経費について解説し、税金面での影響についても見ていきましょう。
まずは、家を売却する場合のメリットやデメリットについて見ていきます。
家を売却するメリット・デメリットと具体的な手順
家を売却する最大のメリットは住宅ローンの支払いから解放されることです。それほどの家賃収入を期待できない物件の場合は思い切って売却するのもアリです。一方デメリットは住む家が無くなる、売却した際の価格が住宅ローン残高以下となる可能性が高い点です。
通常の方法で売却するか、任意売却という方法を選ぶことになります。通常の方法でも任意売却でも専門家へ相談することが重要ですが、残っている住宅ローンを一括返済出来ない場合は任意売却となります。
さて、実際に任意売却を進めるとなると住宅ローンを組んでいる金融機関に相談が必要となります。任意売却であれば競売にかけられるよりも高く売れる他、抵当権を廃止してもらえます。さらに、住宅ローンが残ってしまった場合でも、分割で返済することを認めてもらえる可能性が高いです。
もっと言えば任意売却は競売の開札期日の前日までに完了させなければなりません。なるべく早めに専門家へ相談することが重要です。
賃貸に出すメリット・デメリットと収入と経費
転勤が決まった際、自宅を賃貸に出すという選択肢もあります。賃貸であれば自宅を持ち続けたまま転勤できるので、いずれ帰ってくることも可能であることが最大のメリットですね。また、家賃収入を得られるというのも魅力です。住宅ローンよりも賃料が低く、収益が上がらなかったとしても、不動産所得がマイナスであれば節税効果が期待できます。
デメリットとしては、住宅ローンを利用している際に金融機関に断りを入れずに賃貸に出すと契約違反となる可能性があることです。必ず相談してから手続きを進めましょう。
住宅ローンを見直して、新しいスタートを！
転勤先で新たに住宅ローンを組むという選択肢もアリです。その場合は、金利や返済期間、保証人など、支払に関して様々な点に注意が必要です。ここでは新しい住宅ローンを検討する際のポイントを解説します。
住宅ローンの返済額を減らすには？
住宅ローン返済額は最初は「頑張って返していくぞ！」と思ってもだんだんと負担に感じてしまうものです。場合によっては借り換え等を行い、より金利の低い金融機関に乗り換えることも必要です。情報収集は怠らないようにしましょう。
また、住宅ローン控除はしっかりと受け、満額受け取れるように対策を取りましょう。ちなみに転勤したとしても、単身赴任であれば住宅ローン控除は引き続き受けられます。しかし家族全員で引っ越す場合は受けられなくなるので、注意が必要です。
転勤先で新しい住宅ローンを組む際の注意点
転勤先でも自宅を購入するとなると、基本的には新たに住宅ローンを組みなおすことになると思います。その際は現在支払っている住宅ローンに関してなるべく返済を済ませておくことが重要です。残債があると新規借り入れが通りにくくなる場合があるためです。
特に、現在の住宅ローンに関して一括返済を求められたらしんどいので、なるべく早い段階で任意売却等の方法について金融機関に問い合わせしておきましょう。
まとめ
転勤後に現在返済中の住宅ローンにどのような影響が出るのか、そしてどのような対応をするのが得策なのかについて解説しました。住宅ローン返済中の転勤となると様々な対処法が出てくるので、自分のライフスタイルに合った方法を選択できると良いですね。
現在の持ち家に関しては賃貸に出す、売却を進める等の方法があります。家族で一緒に転勤先に引っ越すかどうか等の選択によって、住宅ローン控除にも関係してくることがあります。節税面も含めて、一番いい方法を検討しておくことをお勧めいたします。
