「夏場で暑いのに、車のエアコンから冷たい風が出てこない!」
「車のエアコンから変なにおいがするようになった」
このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
冬場はまだしも、夏場に車のエアコンから冷風が出てこなければ、集中して運転できません。さらに、小さなお子様や高齢者の方が車に同乗しているのであれば、命の危険に関わる可能性もあります。
この記事では、車のエアコンが効かなくなった原因と、応急処置や予防策について解説いたします。合わせて、車のエアコン寿命を延ばす方法や、買い替えを検討するべきタイミングについてもご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。
車のエアコンが効かない原因
車のエアコンが効かなくなった時の原因として、大きく4つが考えられます。また、暖房と冷房も仕組みが異なるため、それぞれ出なくなった原因を考えなければなりません。
ご自身で対応できるものや、カーディーラーへ依頼する必要があるものなど、車のエアコンが効かない原因は様々です。ひとつずつ原因をさぐっていくようにしましょう。
車のエアコンが効かない原因は大きく4つ
- エアコンフィルターの詰まり
- エアコンガスの不足やガス漏れ
- エアコン内部の汚れ
- その他エアコン内部の故障
それぞれ順番に解説いたします。
エアコンフィルターの詰まり
車のエアコンが効かなくなった理由として最初に思いつくのが、エアコンフィルターの詰まりです。エアコンフィルターは外部から入ってくるほこりや花粉を取り除き、車内の空気をきれいにする役割を持っています。このエアコンフィルターが詰まると車内の空気が汚れたままとなってしまい、冷たい空気も出てこない原因となってしまいます。
カーエアコンの効きが悪いと感じたら、まずはエアコンフィルターを疑ってみるようにしましょう。エアコンフィルターの交換は簡単にできますので、作業に自信があるようでしたら、ご自身で交換してみることをおすすめします。
エアコンガスの不足やガス漏れ
エアコンの冷房が効かなくなった時は、エアコンガスの不足や、エアコンガスが漏れていないかを疑います。基本的にエアコンを使用したことによってエアコンガスが減ることはありません。走行時の振動や、機械の故障によってガス漏れが起こります。
エアコンガスが不足した場合、エアコンガスを補充しなければなりません。エアコンガスは、カー用品店やガソリンスタンドなどでも補充できます。
エアコン内部の汚れ
カーエアコンの中には、空気を冷やす働きをするエバポレーターというものがあります。エバポレーターが汚れることによって、冷房が効かなくなったり、エアコンからいやなにおいが出てくることにもつながります。このエバポレーターを分解し、洗浄することによってエアコンの汚れやにおいをとりのぞき、エアコン本来の働きを復活させます。
エバポレーターの分解や洗浄は作業自体が大変で、車に詳しくない人がやろうとすると、故障の原因にもなります。料金も高額になりがちなので、一度カーディーラーなどで見積もりを取ることをおすすめします。
その他エアコン内部の故障
エアコン内部のファンモーターやコンプレッサー、サーモスタットの故障などによって、エアコンが効かなくなります。エアコン内部については車の整備工場でないと対応できないので、修理や点検を依頼するようにしましょう。
初心者でもわかる!エアコンの仕組み
車のエアコンについては、暖房と冷房でそれぞれ仕組みが異なります。エアコンが効かなくなった時の対応方法も変わってきますので、それぞれ順番に解説いたします。
暖房機能の仕組み
暖房は、車のエンジンの熱を利用します。エンジンが高温になると、冷却水でエンジンの温度を下げる必要があります。温度があがった冷却水に風が当たることで温かい風を作り出し、車内に送り出しています。これが暖房の仕組みです。
冬場にエアコンから温風が出るのに時間がかかるのは、エンジンが高温になるのに時間がかかるためです。また、外の冷たい空気を車内に取り込むと温まるのに時間がかかるため、冬場に暖房を使う際は必ず内気循環を使用するようにしましょう。
冷房機能の仕組み
冷房は気化熱を利用します。コンプレッサーで圧縮されたガスはコンデンサーで液体化され、エキスパンションバルブで霧状に噴射します。噴射された液体がエバポレーターで気化され、周囲の熱を奪って冷風を作り出します。注射を打つ時にアルコールが冷たいと感じるのは、これと同じ気化熱の原理が働いているからなのです。
エアコンが効かない原因チェックリスト
カーエアコンの状態と、それぞれ考えられる主な原因を以下の一覧にまとめました。もしエアコンが効かなくなった原因をすぐに知りたい時は、以下の一覧をチェックしてみましょう。
エアコンの状態 | 主な原因 |
---|---|
冷房が出ない | ・エアコンフィルターの汚れ ・エアコンガスの不足、ガス漏れ ・エバポレーターの汚れ、故障 ・コンプレッサーの故障 |
暖房が出ない | ・エアコンフィルターの汚れ ・冷却水の不足 ・サーモスタットの故障 |
いやなにおいがする | ・エアコンフィルターの汚れ ・エバポレーターの汚れやカビ |
風が出ない | ・ファンモーターの故障 |
エアコンが効かない時の応急処置
暑い日に急にエアコンが効かなくなった時、慌ててしまうことになるでしょう。小さなお子様などが車に乗っている状況であれば、命の危険にさらされる可能性もあります。
カーエアコンが効かなくなった時に対応できる応急処置の方法をご紹介しますので、落ち着いて対応するようにしてください。
簡単にできる応急処置5選
カーエアコンが効かなくなった時に使える、応急処置5選を紹介いたします。
- 車の窓を開ける
- エアコンを内気循環にして、最大の風量にする
- ハンディ扇風機や車載扇風機を使う
- 保冷剤や氷を購入する
- ガソリンスタンドで、エアコンガスを補充
車の窓を開ける
急にカーエアコンが効かなくなった時は、とにかく車の窓を開けるようにしましょう。走行中であれば風も入り、車内の温度を下げることが可能です。
エアコンを内気循環にして、風量を最大にする
外気循環は車外の空気を車内に入れます。特に真夏は外の気温が高いので、車内の温度上昇を防がなければなりません。エアコンを内気循環にして、風量を最大にするようにしましょう。
ハンディ扇風機や車載扇風機を使う
車が停止中であれば、車内になかなか外の風が入ってきません。ハンディ扇風機や車載扇風機をお持ちであれば、活用するようにしましょう。持っていないようであれば、近くのスーパーやホームセンターなどで購入できます。
保冷剤や氷を購入する
小さなお子様や高齢者がいる場合、熱中症の危険性が高まります。保冷剤や氷であればコンビニなどで購入できますので、早めに購入して、少しでも体温を下げるようにしましょう。
ガソリンスタンドで、エアコンガスを補充
冷房が急に効かなくなった原因として、エアコンガスの不足も考えられます。ガソリンスタンドによってはエアコンガスの補充に対応しているところもあるので、近くにガソリンスタンドがあれば、とりあえず行ってみて状況をチェックしてもらいましょう。
応急処置の際に注意すべきポイント
カーエアコンが効かない状態だと今後の生活に支障をきたしますが、これまで紹介してきた内容は、あくまでその場しのぎの応急処置です。
エアコンが効かなくなった時は点検や修理を必要とするケースがほとんどですので、早めに最寄りのカーディーラーや整備工場へ車を持っていき、カーエアコンが効かなくなった原因をさぐってもらうようにしましょう。
エアコンの寿命を延ばす!トラブル予防とメンテナンス
エアコンフィルターの交換程度であれば比較的安い料金で済みますが、カーエアコン内部の故障だと、修理費用が高額になる場合もあります。
なるべくエアコンの修理費用をおさえるため、エアコンの寿命を延ばすメンテナンス方法と、エアコンの買い替えのタイミングについてご紹介いたします。
自分でできるエアコンメンテナンス
ご自身でできるカーエアコンのメンテナンスとしては、定期的にエアコンフィルターを交換することです。
エアコンフィルターの交換目安は1年ですが、同乗者にタバコを吸われる方がいたり、渋滞を運転する機会が多い方などは、半年ほどで交換タイミングがくる場合もあります。
半年ほどでエアコンフィルターをチェックしてみて、汚れが激しいときは、早めにフィルターを交換しましょう。エアコンの効率が上がり、エアコンを長持ちさせることにもつながります。
プロに相談すべきタイミング
定期的にエアコンフィルターを交換していたとしても、急に冷房や暖房が効かなくなった時や、風量が弱いと感じる時は、すぐにカーディーラーなどに行って車の点検をおこないます。また、エアコンからキュルキュルと異音がする時も、モーターなどの故障の可能性があります。
エアコンが効かない状態や異音を放置してしまうと、エアコンの修理が高額になる場合もあります。エアコンガスの補充程度で改善されるケースもありますので、早めに点検を依頼するようにしましょう。
エアコンの寿命と買い替え
車のエアコンの寿命は、5年から10年とされています。ですが、車の使い方や走行距離などによっては、早めに故障してしまう場合もあるので注意が必要です。
また、エアコンは定期的に使いましょう。燃費を気にしてエアコンの使用を控えると、エアコン内部のコンプレッサーが劣化していきます。エアコンの使用頻度をあげればコンプレッサーも負担が減りますので、エアコンの寿命を伸ばせます。
もしコンプレッサーの交換が必要になった場合、修理自体が複雑になるので、10万円前後の費用がかかってきます。カーエアコンのコンプレッサーの交換が必要になる時は、車の買い替えを検討してみてもいいかもしれませんね。
まとめ
以上、カーエアコンが効かなくなったときの原因と応急処置の方法、エアコンのメンテナンス方法などを紹介してきました。
夏場にカーエアコンが効かなくなった場合、小さなお子様や高齢者が同乗している時は、危険な状態にさらしてしまいます。
車の窓を開ける、ハンディ扇風機などを使う、場合によっては保冷剤や氷を近くのスーパーやコンビニで購入するなどして、その場をしのぐようにしてください。
カーエアコンは日頃のメンテナンスも重要です。ご自身でできるようであればエアコンフィルターを1年に1回以上は交換をおこない、カーディーラーなどでも定期的に点検を受けるようにして、未然にトラブルを防ぐようにしましょう。