引っ越しが決まったら、転出届の提出など、役所でやることがいろいろとありますよね。
引っ越しではそのほかにもやるべきことがたくさんあるため、まずは、役所でやることをしっかり理解し、抜かりなく手続きすることが大切です。
とはいえ、実際にどんな手続きをいつまでにやるべきか、よく分からないことでしょう。そこで今回は、引っ越しの際に役所でやることについて詳しく解説します。
知らなかったために、引っ越した後で「しまった!」とならないよう、よく読んで参考にしてください。
引っ越し前に必要な役所手続き
引っ越し前に行うべき手続きと、準備すべき書類の詳細を解説します。
転出届の提出
引っ越し前にやるべきこととして、第一に挙げられるのが転出届の提出です。引越し先が旧居の市区町村と異なる場合、引っ越しの14日前から当日までに、担当窓口へ転出届を速やかに提出しましょう。
転出届の提出は、引っ越しをする本人もしくは世帯主、同一世帯の人が手続きします。代理人および郵送での手続きも可能ですが、自治体ごとに細かなルールが異なるため、詳しくは役所の担当窓口にて確認してください。
役所に転出届を出すことで「転出証明書」が発行されますが、引っ越し先の自治体での手続きに必要なので、なくさないように注意してください。
国民健康保険の資格喪失手続き
引っ越しが決まったら、国民健康保険の資格喪失手続きも必要です。
国民健康保険は自治体単位で加入するため、旧居と異なる市区町村へ引っ越す場合は、忘れずに資格喪失手続きを行っておき、併せて、引っ越し後に加入手続きを行ってください。転出届を出しても自動的に国民健康保険の資格が喪失されることはないので、注意しましょう。
なお、同一市区町村への引っ越しは、資格喪失手続きではなく、住所変更届を提出してください。
印鑑登録の抹消手続き
旧居と異なる市区町村へ引っ越す場合は、引越し前に印鑑登録の抹消手続きも行っておきましょう。印鑑登録の抹消手続きに期限はありませんが、新居でさまざまな手続きを行う際に実印を使うことが多いため、早めに手続きしておくことがおすすめです。
引っ越したら、引っ越し先の役所で速やかに印鑑登録の手続きをしておきましょう。印鑑登録の手続きを忘れてしまうと、各種公共料金の口座引き落としの手続きなどに支障が出て不便です。なお、同一市区町村へ引っ越す場合は、住所変更届を出すだけで問題ありません。
介護保険の住所変更
以下の条件に当てはまる人は、介護保険の住所変更手続きが必要です。
- 65歳以上の介護保険被保険者証保持者
- 要介護・要支援認定者
なお、要介護・要支援認定者は、引っ越し先の自治体にて、新たに介護認定を受ける必要があります。引っ越し先でも、デイサービスや訪問介護などの介護保険による介護サービスを引き続き受けたい場合は、忘れずに申請してください。なお、介護認定関連の手続きについては、担当のケアマネージャーによく相談して進めると間違いがありません。
引っ越し後に必要な役所手続き
引っ越し後に必要な手続きについて、主に家族関連のものを詳しく解説します。
転入届の提出
旧居と異なる市区町村へ引っ越す場合、引っ越し後にまず役所でやることは、転入届の提出です。転入届は、新居に引っ越した後14日以内に、役所の担当窓口に提出する必要があります。
転入届は、代理人による提出は可能ですが、郵送は不可となるので注意してください。転入届を出すのと同時に国民健康保険や国民年金の加入手続きも行うと、効率がよくておすすめです。
同一市区町村内への引っ越しでは、転入届は不要ですが、引っ越し後に転居届を提出してください。
マイナンバーカードの住所変更
引っ越し後14日以内に役所に出向き、マイナンバーカードの住所変更を速やかに行いましょう。マイナンバーには、持ち主の住所が登録されているため、引っ越しに伴い住所変更手続きが必要になります。
マイナンバーカードの住所変更手続きに必要なものは、以下のとおりです。
- マイナンバーカード
- 本人確認書類(運転免許証・パスポート・健康保険証など)
- 印鑑
- マイナンバーカードを交付する際に設定した4ケタの暗証番号
上記の本人確認書類については、顔写真付きの身分証明書であれば1点で手続きできますが、顔写真がない書類の場合には2点提示する必要があるため、注意してください。なお、マイナンバーカードの住所変更手続きを行うと、追記欄に新しい住所が記載されるので、間違いがないか確認しておきましょう。
児童手当や転園・転校手続き
引っ越しに伴い、児童手当の住所変更手続きも忘れずに行ってください。具体的には、以下のとおりです。
- 同一の市区町村内への引っ越し:受付窓口に住所変更届を提出する
- 異なる市区町村への引っ越し:「児童手当受給事由消滅届」を引っ越し元の市区町村役場に提出し、「児童手当認定請求書」を引っ越し先の市区町村役場に提出する
また、子どもの転園・転校手続きも必要です。具体的な流れは、以下をご覧ください。
幼稚園・保育園の転園手続き
旧居と異なる市区町村へ引っ越す場合は、以下の流れで転園手続きを行いましょう。
- 引っ越し先付近の幼稚園・保育園で転園先を探す
- 幼稚園・保育園の退園手続きを進め、「在園証明書」をもらう
- 引っ越し後、転園先に「入園願書」「住民票」「在園証明書」を提出する
なお、保育園や幼稚園の転園では、申込期限に注意してください。たとえば、当月から通いたい場合は、前月の10日前後までの手続きが必要になるケースが多いものです。タイミングがずれると、通園できない期間ができ、親の仕事などにも支障が出ることがあります。
小学校・中学校の転校手続き
- 引っ越しが決まった時点で、在学中の小学校もしくは中学校へ転校時期の目安を伝えておく
- 新居の住所と転校先が決まり次第学校に伝え、「在学証明書」と「教科書給付証明書」をもらう
- 引っ越し後14日以内に役所から「転入学通知書」をもらう
- 転校先の小学校もしくは中学校へ、「在学証明書」「教科書給付証明書」「転入学通知書」の3つの書類を提出する
子どもの転園・転校手続きは、不備や遅れがあると、子どもの通園・通学に大きな支障が出るため、最優先で進めていくとよいでしょう。
役所手続きのタイミングと注意点
手続きの適切なタイミングと、トラブルを避けるためのポイントを紹介します。
手続きの最適なタイミング
役所での手続きの期限は、引っ越しの14日前から引っ越し後14日後までの期間に多くが集中しています。引っ越し前は、家財の整理や荷造り、不用品の処分などやることがたくさんあり、相当ハードな期間です。
特に、引っ越しの2~3日前になると、引っ越しの荷物をまとめるのに手一杯で、役所に出向く時間が取れない可能性があります。
そのため、手続きが可能になったら速やかに役所に足を運んでください。まだ日にちがあるからと先延ばしにしていると、いつの間にか引っ越し当日が近くなり、焦ってしまいます。
手続きをスムーズに進めるコツ
手続きをスムーズに進めるには、「どんな手続きを・どこで」行うべきか一覧にしておくことがおすすめです。引っ越しに伴う手続きは、役所関連以外でもたくさんあるので、忘れずに書き出しておきましょう。
このとき、それぞれの手続き期限を併記しておくと、いつまでにやるべきことなのかが分かりやすく、うっかりミスを減らせます。
また、手続きに必要な書類やものを確認しておくことで、申請時の不備を防げます。認印や本人確認書類などは、いつ提示を求められても対応できるよう、常に所持しておきましょう。
さらに、いくつかの手続きをまとめて行うことで、役所に足を運ぶ回数を減らすことができます。転入届や転居届の提出と同時に国民健康保険の加入手続きやマイナンバーカードの住所変更手続きを行うなど、効率よく進めていきましょう。
まとめ
引っ越しの前後には、役所でやることがたくさんあります。多くの手続きが、引っ越しの前後14日以内に集中しているため、タイミングを見て、早めに足を運んで手続きするとよいでしょう。
なお、引っ越しに伴う各種手続きを忘れずに行うためにも、役所でやることを一覧にしておき、チェックしながら進めていくことをおすすめします。
また、本記事では一般的な手続き方法を紹介しています。役所ごとに必要書類や手続きの仕方が異なる可能性があるため、ご自身の自治体が発信している情報も忘れずにご確認ください。