運転中に車から「キュルキュル」と音がする場合、「車に何か異常が発生している?」「早急に修理が必要?」など、不安な気持ちになるのではないでしょうか。
そのような事態になる前に、普段から車の気になる箇所は早めに対処したいですよね。
本記事では、「車のキュルキュル音」について下記の流れに沿って徹底解説します。
- 車からの「キュルキュル」という異音の原因とは?
- 車の点検と修理の重要度について
- 自分でできる点検や対処方法
車の不具合は早めに解消して、安全運転に努めましょう。
車のキュルキュル音の原因は?
なぜキュルキュル音が鳴るのか、まずは音の出る箇所を突き止め、異音が発生する原因を探っていきましょう。
キュルキュル音、一体何が鳴っているの?
結論からいうと、キュルキュル音の原因はエンジン周りに装着しているファンベルトが不具合を起こして異音が鳴るケースがほとんどです。
ファンベルトとは、エンジン本体から車を動かすための補機類へ動力を伝達するためのゴム製のベルトの総称です。ゴムの断面がVの字になっていることから「Vベルト」とも呼ばれます。ファンベルトは、エンジン本体周辺の、燃料・点火・冷却・吸排気などを行う補機類へ動力を伝える役目を果たします。
ファンベルト以外の異音の原因としては、発電機であるオルタネーターや冷却を担うウォーターポンプの不具合などが挙げられるでしょう。
キュルキュル音の原因、よくあるのはコレ!
上述のとおり、キュルキュル音の原因は、一般的にエンジン周りのファンベルトの摩耗や劣化が原因です。
ゴムベルトの経年劣化が進み、擦り切れやひび割れが発生して摩擦力が低下すると、キュルキュルという音がするようになります。また、ゴムの張力を調整するテンショナーという機器の不具合によって、ベルト鳴きが起こるケースもあります。
ファンベルトは一見地味なパーツに見えますが、エンジンを円滑に動かすための補機類を繋ぐ大変重要な部品です。経年により消耗するパーツのため、定期的な点検・交換が必要です。
キュルキュル音を放置するとどうなる?
「音は気になるけれど、そのうち収まるかも」という楽観的な考えはNGです。キュルキュル音を放置する危険性やリスクについて解説します。
放置は絶対NG!車が故障するリスクとは
キュルキュル音をそのまま放置しておくと、ベルトが切れてエンジンが停止してしまうという最悪のケースになりかねません。走行中に不具合が発生すると、事故に繋がる恐れがあり大変危険です。
また、ベルトだけではなく他の機器類にも影響が及び、故障箇所が広がる恐れもあります。その分余計に修理費用もかさみ、経済的損失も大きくなるリスクをはらんでいます。
キュルキュル音がしたら早めの点検と修理を
走行中にエンジンの部分からキュルキュル音がしていることに気づいたら、すぐにボンネットの中のエンジン周りを点検してみましょう。
自分で見てわからなければプロに確認してもらうのが賢明です。最寄りのディーラーや整備工場へ連絡を取り、しっかり修理・交換作業をお願いしましょう。
車は命を乗せて走る乗り物ですから、取り返しのつかない事態になる前に、面倒だと思わずに早急な対処が必要です。
自分でできる?キュルキュル音の対処法
キュルキュル音の発生時に自分でできる確認方法や、修理が必要になった場合の依頼先について解説します。特に異常がなくても、常日頃から自分の車を点検する習慣はドライバーとしての努めですので、ぜひ点検方法を覚えておきましょう。
自分でできるチェック方法
まず、フロントのボンネットを開け、ベルト部分に亀裂やヒビが入っていないか目視します。その際、ベルトを手で触って張りを確認すると良いでしょう。
また、エンジンをかけてみて音に異常がないか、どこか異臭がしてないかを合わせてチェックすることも重要です。
なお、キュルキュル音の原因がファンベルトの劣化なのかを確認する方法の一つとして、市販の「ベルト鳴き止めスプレー」を使う方法もあります。スプレーをベルトに吹きかけた後にエンジンを回し、キュルキュル音が小さくなっていたら、ファンベルトが原因で異音が発生していたことになります。
修理が必要なケースの見分け方と依頼先
ファンベルトの劣化が著しい場合は早急に交換が必要です。他にもエンジンに不具合が発生しているケースでは、専門業者への修理の依頼も視野に入れましょう。ファンベルトの寿命は、走行距離にして6万キロ前後と言われていますが、車両の使用状況によりベルトの劣化が早まることがあり注意が必要です。
以下、エンジンの修理・部品交換ができる主な施設です。
- ディーラー
- 整備工場
- 大手カー用品店
- ガソリンスタンド
それぞれの店舗の特徴やメリット
施設ごとの特徴やメリットを紹介します。
- ディーラー
高品質な部品と充実したアフターフォローが特徴です。サービスの質の高さから、修理費用が最も高くなる傾向があります。
- 整備工場
修理費用がディーラーより安く、各メーカー車種を含めた幅広い整備が可能です。工場によって整備内容のクオリティに差が出る場合があります。
- 大手カー用品店
汎用性の高い部品を使用する分修理費用が安くなる傾向があります。ただし整備工場と比べると簡単な修理に限定されるケースが多いです。
- ガソリンスタンド
普段から気軽に訪れやすく、簡単な整備や修理の相談に関して対応してくれます。幅広いサービスメニューがある点も魅力です。
費用は高くなりますが、信頼と安心感を求めるならばディーラーへ、金額を押さえながら整備について色々な相談を希望する場合は整備工場へ問い合わせてみましょう。簡単な修理で済みそうであれば、カー用品店やガソリンスタンドへ一度相談してみるのもおすすめです。
店舗により特徴やメリットが異なるため、相見積もりを取るなどして一番納得できる修理業者を選びましょう。修理費用が高額であったり、不具合が頻発する場合には、買い替えや廃車も検討の余地に入るかもしれません。
キュルキュル音を予防するには?ベルトのチェックと交換方法
キュルキュル音の予防には普段からのセルフチェックは必須です。ドライバーの整備知識として、エンジン周りのファンベルト類のチェックと自分で交換する場合の手順を解説します。
整備の際には、周囲の安全に気をつけながら作業を行いましょう。
ベルトチェック・交換の具体的な手順
ベルトチェックは、ヒビや擦り切れている部分がないか目視するとともに、たるんでいないか触って確かめましょう。
整備に関する一定の知識と経験がある場合は、自分でベルト交換が可能です。以下、手順を説明します。
①ベルトの劣化状態を確認後、エンジン本体周辺のベルトが通っている経路をきちんと把握しておきます。
②ベルトが設置されているプーリーのボルトを緩めて、プーリーから古いベルトを取り外します。(プーリー:シャフトへ動力を伝達する円盤状の滑車)
③新しいベルトに交換後、今度は逆の手順でボルトを締め、ベルトの張りを調整します。
④ベルトのたわみがないか確認してから、作業終了後にエンジンをかけて異音がないかチェックします。
車種によっては、プーリーへのアクセスのためにジャッキアップしてタイヤを外す必要があります。輪止めを併用するなどして安全に配慮して行いましょう。
尚、上記の手順は一般的な交換方法のため、車種によっては手順が異なる場合もあります。
ベルト交換にかかる費用は?
ファンベルトの交換は、ある程度の整備知識と技術が必要なため、プロの整備士にお願いするのが一般的です。
ベルト交換の費用は、車種により異なりますがベルト代と工賃でおおよそ10,000円前後とみておけばよいでしょう。軽自動車の場合は、普通車よりもベルト代が若干安くなります。
費用がかかりますが、安全を担保する上でも、ベルトの交換時期が来たら早めに対応しましょう。
車のキュルキュル音は早めの対処が肝心。安全なドライブを楽しもう
本記事では、車のキュルキュル音の原因と放置の危険性、対処方法などについて解説しました。
車のキュルキュル音は、本来は音が鳴る前に定期的な点検を行うのがベストです。音は車のわかりやすい異常のサインなので、知識を持って落ち着いて対処すれば心配はありません。普段はボンネットの中をあまり開けたりすることがない方は、これを機会にベルトチェックを含めたエンジン周りの点検を行ってみるといいですね。
車のメンテナンスは普段からしっかりと行い、安全なカーライフをお過ごしください。