「車が動かない!」ある日突然バッテリーが上がって動揺したことはありませんか?筆者も以前にマイカーでのバッテリー上がりに遭遇し大変な経験をしました。
普段あまり意識することのないバッテリーですが、エンジンや電装品を動かし、同時に蓄電も行うなど、その働きは多種多様。車が円滑に走る上で、正に縁の下の力持ち的な存在です。
この記事では車のバッテリーの知識について解説しています。
- バッテリーの使用期間について
- バッテリーの寿命が近づく兆候とサイン
- バッテリー交換のタイミング
- バッテリーの寿命を延ばすための習慣
バッテリーは消耗品ですので適切な時期に交換が必要です。交換方法や手順もまとめていますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
車のバッテリー寿命の目安と交換のサイン
バッテリーの寿命は、実際のところ使用環境やメンテナンスの有無によって差がでます。
バッテリーの寿命を判断するための具体的なサインや、交換時期の目安について詳しく解説します。
車のバッテリー寿命はどれくらい?
一般的なガソリン車のバッテリーの寿命は、約3〜5年と言われています。
距離にすると3万km〜10万kmと走行条件によって幅があるため、年数で使用期限を判断したほうがよいでしょう。
アイドリングストップ車用のバッテリーは、アイドリングスタートとストップを繰り返すためにバッテリーの負荷が大きく、一般的なバッテリーよりも寿命が短い傾向にあります。
近年普及している充電制御車用バッテリーは、エンジンの負荷を軽減し燃費が向上するメリットがあります。反面、充放電に負荷をかける仕様のため、こちらも寿命は短めです。
車のバッテリーの寿命を示すサインとは?
バッテリーが寿命を迎えると、以下のようなサインがバッテリー本体に見られることがあります。
- バッテリーの容器が膨張している
- 端子部分に粉がふいている
- バッテリー液が変色している
その他、エンジンのかかりが悪い、パワーウィンドウやワイパーの速度が遅いなど、電装品の動きに影響が現れることもあります。バッテリーが寿命を迎える前兆をキャッチして、事前にトラブルを回避しましょう。
また、カーバッテリーを交換して数年が経過していたら、一度ボンネットを開けてバッテリー本体をチェックして確認することをおすすめします。
車のバッテリー交換のタイミングと製品の選び方
この項ではバッテリーの交換時期を見極めるためのポイントについて解説します。
また車種や使用状況に適したバッテリーの選び方や、おすすめの製品についてもご紹介します。ぜひ参考にしてください。
バッテリー交換が必要な時期の見極め方
新車購入や前回のバッテリー交換から5年ほど経過していたら、たとえ車に影響が出ていなくても交換時期に入るでしょう。
エンジンのかかり方以外でも、アイドリングストップしなくなった、ヘッドライトが暗いなどの症状が出たら、交換を検討するタイミングです。
最近のバッテリーは寿命ギリギリまで使えてしまうので、ある日突然車が動かなくなる事態になる可能性も。バッテリーを交換した日時を記録しておくと、忘れることなく定期交換がスムーズに行えます。
バッテリーの種類と選び方における注意点
バッテリーには主に5つのタイプがあり、車の仕様と用途に合ったバッテリーを選択する必要があります。
・開栓型バッテリー
バッテリーの使用に伴うバッテリー液の蒸散により適時補充するタイプ。いわゆる従来型の一般的なバッテリー。
・充電制御車用バッテリー
バッテリーの状況に応じて充電時と停止時とに切り替えることでエンジンの負荷を軽減し、燃費向上に寄与する。
・メンテナンスフリー型バッテリー
高い密閉容器によりバッテリー液が減りにくい。(メンテナンスがほぼ必要ない)現在の主流であり、従来の点検用の栓がない。
・アイドリングストップ車用バッテリー
アイドリングストップ仕様車用のバッテリー。一般的なバッテリーに比べて電力を多く消費するため、電力容量が大きく早い充電性能が求められる。
・ハイブリット車用(補機)バッテリー
ECUや車内の電装品へ電力を供給する、ガソリン車のバッテリーに相当するもの。リチウムイオン電池を使った大容量なものが特徴。
バッテリーの型式表記の見方と注意点
バッテリー購入の際の注意点として、バッテリー型式が自車に適合しているかよく確認しましょう。
型式表記の見方については、例として「100D23R」の場合、最初の表記の数値が大きいほど容量が大きく高性能を示します。
また、末尾の表記について、プラス端子を手前にして左側に端子があればL、右側にあればRの表記になります。
バッテリーのおすすめ製品を紹介
ここでは、おすすめのバッテリーブランドとして「GS・YUASA」と「Panasonic Caos」をご紹介します。
GS・YUASAシリーズ
「GS・YUASA」は、国内シェアNO.1(世界ではNO.2)のバッテリーであり、その圧倒的なシェア率が人気の秘密です。またその信頼性の高さから、F1のレーシングカーへの供給や、国際宇宙ステーション内で使用するバッテリーの提供を行っています。
GS・YUASAのバッテリーは、高性能かつ長寿命をうたう製品が多くラインナップされています。
Panasonic Caosシリーズ
Panasonic Caosは、軽量かつコンパクト・容量のライナップの多さと高品質を誇り、パナソニックの知名度の高さもバッテリーシェアの獲得を後押ししています。
ドライバー同士のSNSやレビューサイトなどでも高評価が多く、非常に人気が高いシリーズです。
バッテリーは自分で交換できる?手順と注意点
バッテリー交換を自分で行う場合の具体的な手順と作業中の安全対策について説明します。一度交換を経験すると次回からスムーズに行えますので、ぜひ覚えておいてください。
自分でバッテリーを交換する方法
エンジンは必ず停止した状態で行います。本体の+(−)端子のナットを緩める工具(スパナ・トルクレンチ)と、安全に作業するための保護用手袋を用意しましょう。
- バッテリーの位置を確認して、メモリーバックアップ(後述)のクリップをそれぞれの端子箇所へ取り付ける
- バッテリーのマイナス端子からケーブルを取り外す。続いてプラス端子のケーブルを外す
- 古いバッテリーをホルダーから取り出す(ステーがあれば先に外す)
- 新しいバッテリーを載せ換え、プラス端子からケーブルを接続する(取り外しと逆の手順)続いてマイナス端子へケーブルを取り付ける
- メモリーバックアップを取り外す
バッテリー交換時の安全対策と注意点
バッテリー交換の際に、メモリーバックアップ装置を使うことで電装品設定の保持とバックアップが可能です。1台あるとよいでしょう。
また作業中にショートや感電などを防ぐために、以下の安全対策を徹底してください。
- 電気を通さない仕様の絶縁手袋を装着する
- 取り外す際は必ずマイナス端子から行う。取り付ける際は逆にしてプラス端子から行う
- バッテリーの取り出しは、垂直方向へ持ち上げ、中の液が偏らないようにする
- 端子のナットは適切な力で締める
感電防止のために、端子の電極部分に絶縁テープを使用すると、さらに安全です。
端子のナットは締め付け過ぎに注意し、トルクレンチを使って適切な力で締めましょう。
車のバッテリー寿命を延ばすためのメンテナンス方法
バッテリーを常に良好な状態に保ち、車をスムーズに動かすためには定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。日頃から点検を行う上で、バッテリーの状態をチェックする方法と項目をまとめました。
定期的なバッテリーの点検方法と重要性について
バッテリー点検で確認したい項目は以下の3つです。
- バッテリー液の量は適正か
- バッテリー本体に異常がないか
- バッテリー液の比重と電圧は正常か
バッテリー液が不足していれば適量を補充し、本体に損傷、漏れ、膨張などがないか目視して確認することが重要です。
さらに比重計や電圧計を使ってバッテリー液の比重と電圧を測定し、数値が基準値よりも低下していればバッテリーの劣化が疑われます。
このように定期的にバッテリーの状態を確認してトラブル防止に繋げましょう。
バッテリーを長持ちさせるために意識したい運転習慣3選
バッテリーをなるべく長持ちさせるために、以下のような運転習慣を意識してみましょう。
- 車を定期的に動かす
車を長期間放置したままにしておくとバッテリーが放電状態になり、最終的にバッテリー上がりを起こしてしまう可能性があります。定期的に運転をすることで、バッテリーのメンテナンスにつながります。 - 30分以上の走行を定期的に行う
近距離での走行ばかり繰り返しているとバッテリーの充電不足が続き、劣化を早める原因になります。 - 運転中に電装品を使いすぎない
運転中にエアコン、携帯の充電、カーステレオ、カーナビなどの電装品を一度に使用していると、常にバッテリーに負担がかかっている状態になります。寿命を早める一因になるため、電装品の使いすぎに気をつけましょう。
まとめ
バッテリーに関するトラブルはよくあることですが、適切な時期に対策を行うことで余計なトラブルを避け、より良いカーライフを送ることができるでしょう。
バッテリーは自分の目で点検でき交換方法も比較的容易ですので、ドライバーの普段のメンテナンス力が問われるのではないでしょうか。
あなたの車も、まずはバッテリーの点検から!そうした日頃のメンテナンスに、ぜひ取り組んでみてください。